子供の歯ぎしりは放っておいて大丈夫?原因と歯医者に相談する目安
- 2026年9月11日
- 小児歯科

寝ているお子さんから「ギリギリ」と大きな音が聞こえると、「歯が削れてしまわないかな」「何かストレスがあるのかな」と心配になりますよね。
子供の歯ぎしりは珍しいものではなく、成長とともに目立たなくなることもあります。ただし、すべてを「成長中だから大丈夫」と判断できるわけではありません。
大切なのは、音の大きさだけではなく、歯やあご、眠りに困りごとが出ていないかを見ることです。家庭で確認できるポイントを、一緒に整理していきましょう。
子供の歯ぎしりは、すぐに治療が必要とは限りません
歯ぎしりには、歯をこすり合わせる動きや、上下の歯を強くかみしめる動きがあります。眠っている間に起こるものは、お子さん自身が気づいていないことがほとんどです。
歯やあごに問題がなければ、歯科医院で定期的に確認しながら経過を見る場合もあります。一方、痛みや歯の欠けがある場合には、年齢にかかわらず対応を考えます。
「何歳までなら大丈夫」と区切るよりも、今のお口の状態に合わせて判断することが大切です。参考:米国小児歯科学会
なぜ歯ぎしりをするの?ストレスだけが原因ではありません
眠りに関わる要因などが重なって起こります
子供の歯ぎしりは、原因が一つにはっきり決まるものではありません。睡眠中のあごの筋肉の活動に、眠りの状態や心理的な緊張など、複数の要因が関わると考えられています。
「歯が生え替わるため」「かみ合わせを整えるため」と説明されることもありますが、それだけですべての歯ぎしりを説明することはできません。歯ぎしりがあるからといって、かみ合わせに問題があるとも限りません。参考:米国小児歯科学会
「親が気づかないストレスがある」と決めつけなくて大丈夫です
緊張や不安が関わることはありますが、歯ぎしりだけでお子さんの心の状態は判断できません。
「何か我慢させているのかも」と、保護者の方がご自身を責める必要はありません。まずは普段の様子に目を向け、話したそうなときにゆっくり聞くくらいの関わりから始めてみてください。
歯ぎしりの音より、歯の変化と朝の様子を確認しましょう
歯科診療で確認したいのは、「大きな音がするか」に加えて、「歯やあごに負担が出ているか」です。
次のような様子があれば、歯科医院で相談してください。
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歯が欠けている、以前より短くなったように見える
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冷たいものや歯みがきで歯がしみる
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朝起きたときに、あごや頬が痛いと言う
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食事でかむと痛がる、口を開けにくそうにする
歯のすり減りは、歯ぎしり以外の原因で起こることもあります。家庭で原因を見分けようとせず、実際にお口を確認してもらいましょう。参考:NHS、米国小児歯科学会
いびきや呼吸の様子も、あわせて伝えてください
大きないびきが続く、寝ている間に呼吸が止まるように見える、苦しそうに息をする場合は、歯ぎしりとは別に眠りや呼吸の確認も必要です。
こうした様子があれば、小児科や耳鼻咽喉科に相談し、歯科医院にも伝えてください。歯ぎしりだけで睡眠時無呼吸症候群(眠っている間に呼吸が繰り返し止まったり、浅くなったりする病気)と判断することはできません。
家庭では「やめさせる」より、眠りやすい環境づくりを
眠っている間の歯ぎしりは、本人の意思で止めるのが難しいものです。「歯ぎしりしないで」と言う必要はありません。
家庭では、寝る時間をなるべくそろえる、寝る前のスマートフォンや動画を控える、読み聞かせなどで落ち着く時間をつくる、といった工夫が考えられます。歯ぎしりを確実に止める方法ではありませんが、眠りを整える助けになります。
受診するときは、「いつ頃から」「週にどのくらい気づくか」「朝に痛みがあるか」を、わかる範囲で伝えられると役立ちます。毎晩起きて見張る必要はなく、気づいたことを簡単にメモする程度で十分です。

子供にもマウスピースは必要?
大人の歯ぎしり対策を知っていると、「子供にもマウスピースを作ったほうがいい?」と思うかもしれません。
歯の傷みが気になる場合などには、歯を守るために検討することがあります。ただし、子供は歯の生え替わりやあごの成長があるため、必要性や使う時期を個別に判断します。市販品を自己判断で使い始める前に、歯科医院で相談しましょう。参考:米国小児科学会、米国小児歯科学会
「音が気になるだけ」でも相談してかまいません
痛みがなさそうでも、毎晩音を聞いていると心配になるものです。「この程度で歯医者に行っていいのかな」と遠慮する必要はありません。
歯科医院では、歯のすり減りや生え替わり、あごの状態などを確認し、経過を見られるか、対応が必要かを考えます。まずは定期検診のときに「寝ている間の歯ぎしりが気になります」と伝えるところから始めてみてください。
